将棋には多くの戦法があり、それぞれに独自の戦い方や狙いがあります。その中でも、攻守のバランスに優れた戦法として多くの指し手から愛されているのが「三間飛車(さんけんびしゃ)」です。
本記事では、三間飛車の基本的な特徴から、魅力、向いているタイプ、簡単な指し方までを解説していきます。
■ 三間飛車とは?
三間飛車とは、自分の飛車(ひしゃ)を左から3列目(=三間)に振る振り飛車戦法の一つです。初手から順調に指すと、だいたい以下のような配置になります。
▲7六歩 △3四歩
▲6六歩 △8四歩
▲7七角 △8五歩
▲6八飛 ← この形が三間飛車
飛車を六八(または五八)に配置することで、左翼から攻める形が作れます。
■ 三間飛車の主な特徴
✅ 攻守のバランスが良い
三間飛車は美濃囲いなどの堅陣と相性がよく、守りながら反撃のタイミングをうかがう形が得意です。
✅ 横歩を取られにくい
四間飛車と比べて飛車の位置が右寄りなため、相手の横歩取り(攻撃)に対する対策がしやすくなっています。
✅ 振り飛車の中でもアグレッシブ
守ってばかりではなく、時には飛車を一気に前線に押し上げて攻撃するダイナミックな展開も可能です。
■ 三間飛車の囲い例
三間飛車と相性のいい囲いには以下のようなものがあります。
- 美濃囲い(バランス型、防御重視)
- 高美濃囲い(上からの攻めにも強い)
- 銀冠(受けが強く、終盤にも粘りが効く)
囲いは相手の戦法や展開に応じて柔軟に使い分けましょう。
■ 三間飛車が向いている人
- 振り飛車の中でも積極的に攻めたい人
- 相手の攻撃を受けてから反撃に転じたい人
- 戦法に美学や構造美を感じたい人(構えがかっこいい!)
■ 三間飛車の注意点
- 相手の急戦策(右四間飛車や超速攻)には注意が必要です。
- 正確な受けが求められる場面も多く、序盤から中盤の読みの力が求められます。
■ 実戦での活用例(初級編)
簡単な対振り飛車対策として「角交換三間飛車」もあります。最近ではプロ棋士の間でも見直されてきており、指しこなせばどんな相手にも互角以上に戦えます。
■ まとめ
三間飛車は、「受けて反撃」「バランス型」「構えの美しさ」など、さまざまな魅力を持つ戦法です。将棋を始めたばかりの方にもおすすめできる戦法であり、極めればプロ顔負けの深い世界が待っています。
「自分のスタイルに合うかも」と思った方は、ぜひ三間飛車を試してみてください!